どうも!
気象予報士の芦沢です。
気象予報士になって2年半が経ちました。
毎日、大好きな天気を仕事に生かすことができ、充実した日々を送っています。
そして、この2年半でとても多くの方から同じ質問をされました。
それが、
『どのように勉強したか』
です。
思い返してみると、僕自身もまわりに気象予報士試験を受けたことのある人がいなかったので、はじめは勉強法が分かりませんでした。
ですから、勉強の仕方が分からないという気持ちがとても理解できます。
本当にこれであっているのだろうか?と不安になり、インターネットで検索しても、今度は情報がありすぎて結局どうすればよいのかわからず…
そこで今回は、僕が当時どのように勉強していたかをまとめ、さらに当時の自分に、今アドバイスするならどんな風にアドバイスをするかを考えました。
今回の記事は、
- 気象予報士試験ってどんな試験なんだろう?
- 気象予報士試験を受けたいけど、勉強の仕方が分からない。
- 実際に受けてみたけど合格する気配がない。
- おすすめの参考書が知りたい
こうした方に向けた記事です。
- 気象予報士試験の内容
- おすすめ参考書
- 勉強法
の3つについてお話します。
勉強法の部分は、なるべく具体的に、そして今だから重要だったなと感じるポイントなどを混ぜてお伝えしています。
また、当時の僕の勉強スケジュールも参考程度に載せました。
最近はNHKの連続テレビ小説「おかえりモネ」の影響で気象予報士になりたい!という方が増えているように感じます。
少しでも気象予報士試験の勉強の参考になれば幸いです。
はじめに
気象予報士試験の合格率は約5%で、一般には難しいと言われています。
気象は時に人の命にかかわりますし、経済に影響を与えることもありますから、ある程度難しいのは当然です。
ただ、合格率だけ見て、
『自分には無理だ…』なんて思ってほしくありません。
僕も始める前は、この合格率だけを見て、こんな難しい試験に合格できるのかな?と思っていました。
あえて断言させていただきます。
覚悟を決めて本気で頑張れば合格できます!!
一発合格は確かに難しいです。(受かる人の1%くらい)
だた、しっかりと勉強すれば、2回目か3回目の試験で手の届く資格だと思います。
今から始めるという方も、努力次第では、1年後に気象予報士になっているかもしれません!
ワクワクしますね!
気象予報士試験の内容
試験は学科試験と実技試験があり、学科試験は一般試験と専門試験に、実技は1と2に分かれています。
学科一般(制限時間60分) 気象学の知識、物理の計算、気象業務法など
学科専門(制限時間60分) 予報に使われる技術に関する知識など
実技1・実技2(ともに制限時間75分) 実際に予報に使われる資料を使って予報を組み立てる
すべてを一日で行うため、なかなかハードです。
試験科目 | 形式 | 合格基準 |
学科一般 | マーク式 | 15問中11問以上 |
学科専門 | マーク式 | 15問中11問以上 |
実技1.2 | 記述式 | 70%以上 |
基準は目安であり、難易度によって前後します。
学科試験で合格した科目は、申請により、合格発表日から1年間は免除となります。
試験の詳しい日程は、気象業務支援センターに掲載されています。
そもそも気象予報士試験ってどんな試験だろう?
という方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。
おすすめの参考書
僕が実際に使った参考書やサイトはこちら!
- らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト(一般)
- らくらく合格 気象予報士かんたん合格テキスト(専門)
- らくらく合格 気象予報士かんたん合格テキスト(一般)
- 一般気象学
- 気象庁HP
- 気象予報士試験精選問題集
- 過去問(一番大事!!)
らくらく突破シリーズ
らくらく突破シリーズはこれから気象予報士試験を受けようかなと考えている方におすすめです。
僕のまわりの気象予報士も、大体これを持っている気がします。
試験の範囲をある程度網羅しているので、基礎つくるにはもってこいです。
ただ、近年で改定を行っていない場合があるので、発行された年を確認するようにしましょう。
一般気象学
気象予報士のバイブル的な本。
今でも使っています。
気象予報士試験においては、特に学科一般の勉強をする際に力を発揮し、めちゃくちゃ詳しく載っています。
網羅性はらくらく合格(一般)よりもあります。
ただ、かなり発展した内容も含まれている印象です。
いきなりこちらに取り掛かると難しくて挫折するおそれがあるため、一通り勉強してからこちらをみることをおすすめします。
気象庁HP「知識・解説」
気象庁HPには『知識・解説』というバナーがあります。
ここに、気象に関する基礎的なことが詳しく、かつ分かりやすく書いてあります。
疑問に思ったものはここで確認すると、理解できるかもしれません。
気象予報士精選問題集&過去問
この2つは過去に実際に出題された問題になります。
気象予報士試験は過去問がとにかく大事です。
特に、実技に関しては過去問から傾向をつかむことで一気に合格へ近づくことができます。20回分×2周くらいはやっておきましょう。
過去問は、気象予報士支援センターで過去5回分が無料でダウンロードできます。
また、めざてんというサイトでは、より多くの過去問を見ることができます。
僕もめざてんさんにはかなりお世話になりました。
もう一度言います。
気象予報士試験は過去問がとにかく大事です!!!
参考書を選ぶときの基準
なるべく新しいものを選ぶ
近年は、予報技術の進歩などもあり、今の内容が古い参考書と異なるところがあります。
特に、予報技術の問題が中心の学科専門は、その影響を強く受けるため、なるべく新しいものを買うことをおすすめします。
写真や図が多いものを選ぶ
低気圧がどんな構造をしているのか、積乱雲がどうやってできるのか。
言葉だけで説明されてもなかなかイメージしづらいですよね。
構造やしくみがなるべく図で説明されているものを選ぶと理解も早まります。
気象予報士試験の勉強法
ここからは、実際に気象予報士試験合格に向けての勉強法をお伝えします!
まずは学科試験の勉強から始めよう
試験には学科試験と実技試験があるとお話ししました。
まずは、学科試験に焦点を絞って勉強をしましょう。
学科試験は基礎問題
実技試験は応用問題
です。
基礎を固めたうえで、初めて応用が利くようになります。
なかには、一回で3つすべて合格基準を満たし、一発合格みたいな人がいますが、それは全体の1%ほどで現実的ではないです。
まずは、学科試験を合格することを目指し、そのあとに実技の合格を目指しましょう。
それに、学科試験はマークシート問題です。
4択や5択から一つ選ぶ形式ですから、実技の筆記と比べても突破しやすいです。
学科の中でも学科一般から!
学科の中でも学科一般から取り掛かるほうが良いです!
というのも学科一般では
- どうやって雨が降るのか。
- どうやって風が吹くのか。
- どうやって低気圧ができるのか。
など気象の基礎中の基礎が学べるからです。
また、学科一般には数式も結構出てきます。ものすごく難しいというわけではありませんが、文系の方だと少し苦戦するかもしれません。
まずはじめに時間をかけて理解するようにしましょう。
僕は、まずらくらく突破シリーズ(一般)を使って勉強を始めました。3か月ほど読み、そのあとに一般気象学で勉強をしました。
先ほども言いましたが、一般気象学は結構難しいです。
ただ、らくらく突破シリーズをしっかりと読めば、ある程度内容にもついていけるようになります。
僕は一般気象学のおかげで学科一般の合格がぐっと近づいた気がしました。
学科専門
専門知識は知識問題が9割を占めます。
このため、いかに知識を詰め込むことができるかがカギです。
毎日、隙間時間に参考書を読むなど、とにかく継続&反復をしましょう。
学科一般・学科専門 知識を一通り入れたら
一通り知識を入れ終えたら、過去問に挑戦してみて下さい。
過去20回分くらいが目安です。
20回分もやると、出やすい問題やひっかけのパターンなども見えてきます。
間違えたものはノートにまとめ、その部分を再び参考書で確認する。
これのサイクルを繰り返すとよいでしょう。
実技試験の勉強法
気象予報士試験を受ける多くの人がぶち当たるのが実技試験の壁です。
正直、学科試験は、参考書を読んで覚えれば合格することができます。
一方で、実技試験は記述式であり、マークシートではありません。
40字以内で現象を説明せよ
55字以内で上空の大気の状態を説明せよ
さすがにここまでおおざっぱではないですが、このように○○字以内で述べよ。という問題が次々に出てきます。
そのほか、前線の作図、計算問題ももちろんあります。
実技試験の勉強方法は
とにかく過去問をやること。
これにつきます。
どれだけ過去問をやって解答の傾向をつかむことができたかが、合格に直結すると思っています。
らくらく突破シリーズ(実技)で一通り、実技の解き方を学んだあとは、ひたすら過去問を解きましょう。
そして、文章を記述する問題は
重要な解答ワード(キーワード)がどんなものだったのかをノートなどにメモするようにしましょう。
○○字以内で解答せよ。など文章を記述する問題は、正解していてもキーワードが不足していると減点対象となることがあります。
自分の解答と模範解答をみて、自分の解答にはどのキーワードが足りなかったのかを整理すると良いです。
整理しているうちに、この言葉とこの言葉を文章中に入れると正解になるなというパターンが見えてきます。
過去問の目安としては最低でも実技1で過去15回、実技2で過去15回の30回分は解くべきです。
これを2周~3周して徹底的に回答の傾向をつかみましょう。
実技試験は時間との戦い
実技試験は制限時間が75分です。
長いように見えますが、正直全く時間が足りません。
僕も1回目の試験の時は
『なんだこれ、全然最後まで解けないじゃん!!!』
て感じでした。
ですから、過去問を解くときは、制限時間を強く意識してください。
僕は当時、制限時間60分で過去問を解いていました。
試験本番は緊張に飲まれて、いつも以上に慎重になります。
ですから、75分よりもより短い時間で解く練習をしていました。
また、試験開始と同時にまずは一番最後まで一通り問題を眺めてみましょう。
最後に簡単な問題が隠れているときがあります。
そういった、簡単な問題は取りこぼさないことも合格の近道となります。
独学で合格できるの?
合格できないことはないですが、スクールに通うことを検討するのも大切かなと思います。
実際に僕も、ウェザーマップのスクールに通い、実技試験対策の講座を受けました。
独学だと、やはり実技で足踏みし、合格までの時間がかかりやすいです。
足踏みしてしまう理由は簡単で、
実技試験が記述式なため、独学だと自分の答えが正解かどうか分からないから。
実技試験には一応模範解答がありますが、それ以外にもしっかり”的を得た解答”を記述していれば正解になります。
ただ、独学の場合だと、この”的を得た解答”というのが分からず、この答え方で良いのかな?あっているのかな?となりがちです。
間違った覚え方をすると、それに気づかず、いつまでも合格できないという最悪なことにもつながります。
また、気象予報士の資格を生かした仕事をしたいと考えるなら、なおさら時間をかけすぎることは避けるべきです。
今は、学科一般だけ、専門だけ、実技だけなど科目ごとの受講ができるところもあるようですから、一度行ってみることを強くおすすめします。
僕の合格までのスケジュール
僕が勉強した期間は、2017年11月~2019年1月までの1年2か月です。
実際にはこんな感じで勉強していました。
2017年
11月 学科一般に取り掛かる
2018年
3月 挫折
4月 学科一般を勉強
5月 学科専門に取り掛かる
7月 一般気象学で覚醒 学科専門を勉強
8月 ちょっと実技&過去問
1回目試験(一般のみ合格)
9月 無気力期
10月 専門と実技を勉強
11月 ひたすら過去問
12月 ひたすら過去問
2019年
1月 ひたすら過去問
2回目試験(専門・実技合格)
(11月から1月はスクールで実技を学びました。)
当時は大学生でしたので、夏休みや冬休みにはは1日に8時間ほど。その他は一日3~4時間ほどの勉強時間を確保しました。
見てわかる通り、1回目の試験は学科に特化しています。
そして、11月からは毎日、学科専門と実技の過去問を1つずつ行い、間違ったところはノートにまとめました。
解いた過去問の数を数えてみたところ
- 一般・専門20回
- 実技1 20回 実技2 20回
それぞれ2~3周ずつ
でした。
やはり、過去20回分くらいを解き、何度か繰り返すことでかなり傾向をつかむことができた気がします。
皆さんも過去問は20回分×2くらいはやってみてください。
まとめ
今回は、気象予報士試験の内容やおすすめ参考書、勉強方法についてお伝えしました。
一番はじめにも書きましたが、気象予報士試験は
覚悟を決めて本気で頑張れば合格できます!!
天気は普段の生活に大きくかかわるものです。
勉強することで、何気なく過ごしていた毎日が、とても鮮やかに、そして楽しくなると思います。
皆さんが、気象予報士になれるよう、心から願っています。
それじゃ!
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